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これは1998年の大晦日の出来事でその時に書いたものです。
1998年、大晦日、フロリダから一通の手紙が届いた。 いったんは前の住所に送られ、その後、今の住所に転送されて届いたのだ。 ここに引っ越してもう6年経つというのに。 その封書には60セントの切手が貼ってあった。 そして差出人も住所もまったく見覚えのないものだった。 開封すると、中には一枚の手紙と懐かしいポストカードが入っていた。 そのハガキは10年ほど前に年賀状として作った「ポストカードセット」の中の一枚で、 ハワイのホテルのベランダから海側の黄昏時の景色を写したもの。 海に面してコンドミニアムやホテルが建ち並び、 影になったビルが黒く太い面となって視界を遮っている。 そのビルの間に黄昏の海と空がきらめいている。 コンドミニアムの暗い面に上下に穴があいたようにブラインドを開けた窓がふたつあって、 海からの光が射し込んでいる。 ひとつの部屋には女性、もうひとつの部屋には男性がシルエットとなって映し出され、 偶然でありながら映画の1シーンのようだ。 その瞬間を彼が写し撮ったものだ。 添えられた手紙にはこのように書いてあった。 「ずいぶん時間が経ってしまいましたが、出来る事なら、このコロニーサーフホテルから望む 夕暮れの写真を引き延ばして送ってくださいませんか?」 と書いてあり、そのポストカードは誰かを経由してその人に届いたものではないようで、 使用してない表面に引き延ばして欲しい寸法が記入してあった。 どのような訳でこの人はこのポストカードを持っていたのか、そして、なぜ、 この景色がコロニーサーフホテルからの眺めだとわかったのか。。。 ワイキキの林立するビル群の中で、解る人はほとんど居ないであろうと思える、 ビルと空と海の写真なのだ。 謎は深まるばかり。大晦日に届いた知らない人からの便り。 夜は更けて、友達夫妻と除夜の鐘をたよりに近くの神社に出かけた。 神社の送り火に顔を照らされながら、私たちは手紙の話しをした。 友達は「すごくゾクゾクする話ね。でも何だか怪しいから気をつけて」と言った。 帰り道、写真を撮った彼が小さな声で思い出すように話し始めた。 10年程前、コロニーサーフホテル(現在は存在しない)に滞在した時、 私が大切にしていたボロボロのサファリ帽を部屋に忘れたまま帰国していまい、 戻ってすぐにホテルに連絡すると親切に送ってくれた。 そして、お礼状を添えてその年の年賀ハガキを送ったのを思い出した。 「その時、帽子を送ってくれた人じゃないかなあ?、きっとそうだよ」 元日、彼は山のようなフィルムの中からその写真を探し出した。 そして、期待に添える事、どうしてコロニーサーフホテルからの眺めだと解ったのですか? もしかして、あの時、帽子を送ってくれた方ではありませんか?」 という事を付け加えて返事のファクスを送った。 そうして、すぐに返事のメールが届いた。 彼女はその頃このホテルで働いていて、私の帽子を送ってくれた人だった。 なんだか、とても嬉しい出来事だった。 その写真は私のお気に入りで、時々眺めていたのだ。 そして、その人はリタイアした今、フロリダに住み、 その同じポストカードの写真を眺めてハワイを懐かしんでいたのだから。。。 2010年、大晦日
by naomieux
| 2010-12-31 20:32
| 雑記
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